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執筆者の写真Issei Nakamura

cGMP説明 Part 1! FDA>FSMA>PCHF>cGMP(現行製造適正規範)の概要

更新日:2020年5月29日



以下は米国食品医薬局(FDA)の法令にある21 CFRを日系アメリカ人二世が

出来るだけ分かりやすく翻訳・意訳した物となります。


まずcGMPとは?


米国食品医薬品局(FDA)の米国食品安全強化法(FSMA)103条に挙げられる、


「人向け食品に対する危害予防管理」(Preventive Controls for Human Food)


通称:PCHFの一項目に記載されている法令です。



cGMPはCurrent Good Manufacturing Practiceの略称で


「現行製造適正規範」と意味します。



簡単に説明しますと、原料の仕入れから出荷までのプロセスを


徹底的に管理し、誰がその工程を行っても、製品自体が高基準の安全性を


保てる事を目的とした、オペレーションも含めた品質基準の事を指しています。




GMPとcGMPでは何が違うのか?


まずGMPは「Good Manufacturing Practice」の略称で製造適正規範を意味します。


対してcGMPは頭に「Current」という言葉が付け加えられており、これは


「現在の・現行の」という意味を持ちます。



即ち、現時点で最新の情報が共有された上で、


そのテクノロジー、システム、プロセス等を実装し、特に大量生産に対して


より効率的、より安全、より高品質を実現する為の規範となります。



従来のGMPからの主な改正点が挙げられます;


1:食品汚染に対する予防に加え、アレルゲンの交差接触に対する予防の義務化。


2:Should(推奨)からMust(規定)への変更。


3:食品の製造・加工・包装・保管に従事している者は、それぞれが担当する業務について


  衛生的で安全な食品を作れる適格者(Qualified Individual)となる訓練を義務化。




0:cGMPで抑えるべきポイントとは?(目次)     今記事では1-2を説明していきます。

cGMPは以下で構成されています。



1:人員


2:工場、および敷地


3:衛生的な運用


4:衛生施設の維持と管理


5:使用機械、および使用機具


6:プロセス、および管理


7:倉庫保管、および流通


8:動物向け食品の為に使用する人向け食品からの副産物の保管と流通


9:欠陥に対する品質管理業務



1:人員

まず、施設管理者は以下確実にするための措置と予防策を講じなければなりません。


1:病原菌管理:


  病院診断、または監督判断で、以下の状態にある従業員の食品への接触を避ける。

   ・病原菌が体内にあると判断された者

   ・開いた傷口、または傷口が化膿している者  等


  上記は食品への汚染の可能性を秘めている為、体調が改善されるか、適切な防護策に

  より、病原菌が食品への接触の可能性がなくなるまで作業をさせてはならない。


 また、従業員にはその様な健康状態に陥った場合に上司に報告する事を義務付ける。



2:衛生維持:


  食品、食品接触機材、および、食品包材との接触がある全ての従業員は

  アレルゲンの相互接触や食品の汚染が起こらないよう、衛生慣行に準拠する必要がある

  衛生維持の方法は次の通り;


  A > 食品のコンタミや汚染から保護する目的として、作業の際は適切な上着を着用する

  

  B > 作業に携わる従業員自身の衛生管理を徹底する。


  C > 適切な手洗い施設を設け、適切な手洗い方法を教育。

    また、手が細菌などの微生物による汚染の可能性がある度に手洗いの義務化する。


  D > 指輪などの作業中に食品、容器、設備などにに落ちる可能性のある物の取り外し

    取り外しが無理な場合は、適切の素材のカバーで覆う事により、コンタミを回避


  E > 食品の取り扱い時に清潔で衛生的な手袋の着用をする


  F > 人毛に対する拘束具の着用(ヘアネット、キャップ、あごひげカバー等)


  G > 衣服や私物は食品、または調理器具の洗浄区域以外の場所に保管する事。


  H > 食品がさらされている場所、または調理器具の洗浄区域での以下の行為を禁ずる

    ・飲食(食品、飲料、ガム等)

    ・タバコ

  

  I > アレルゲンの交差接触、および食品、食品接触器具、食品包装材への異物混入

    (汗、人毛、化粧品、タバコ、化学薬品等)からの保護を目的とした、

    その他の予防策を講じる事。  




2:工場、および敷地

1:敷地:



  施設の管理下にある敷地では食品の汚染を防ぐ環境作りをしなければならない。

  適切な維持には以下のことが含まれる;


  A > 器具の適切な保管、ゴミや廃棄物の除去、害虫の繁殖場所となりうる雑草の刈取り

  B > 食物がさらされている場所が汚染源とならないよう、道路、庭、駐車場の維持。


  C > 食品への汚染の一因となる害虫の繁殖や汚物の浸透を避ける為に

    施設に適切な排水システムを取り付ける


  D > 食品がさらされている場所が汚染源とならないよう、適切な廃棄物処理システム

    の構築と実施


  E > 植物(雑草等)が生えている区域が隣接している管理外の場所にあり、

    上記A~Dの方法が適用されていない場合、その区域からの食物汚染を避ける為、

    区域の検査、駆除(害虫、および土、泥など)を行う必要がある。



2:施設・工場の設計と建設:



  施設・工場は食品の生産(つまり、製造、加工、梱包と保管)を目的とし、

  メンテナンスと衛生管理を容易にするために、サイズ、設計、構造が

  適切でなければならない。その為、以下は必須項目となる。


  A > メンテナンス、衛生管理、および食品の安全な生産が出来るよう、

    材料、および機器の配置には十分なスペースを提供する事。


  B > 以下の適切な手段を1つ以上システムに組み込み、アレルゲンの交差接触、

    および食品、食品接触機器、食品包材に対する微生物、化学物質、汚物、

    その他外来物質による汚染の予防策を講じる事。


    ・場所の分離

    ・時間の分離

    ・仕切りの建設

    ・気流システム

    ・防塵システム

    ・密閉システム

    ・その他の効果的な手段


  C > 設置された野外保管庫に対し、以下の適切な予防策を講じる事。


    ・保護カバーを使用する

    ・害虫の繁殖場所となりうる周囲の排除と管理を行う

    ・定期的に害虫とその蔓延の検査を行う

    ・必要に応じて、発酵槽の除去

  D > 床、壁、天井が清潔で適切な清掃方法、修理方法を適用できるよう設計

    されており、ダクト、およびパイプからの滴りにより、食品、食品接触機器、

    または食品包材が汚染されない事。

    また、通路と作業スペースは機器や壁の間に設けられており、従業員が

    食品、食品接触機器、食品包材を衣服や個人の接触によって汚染しないよう

    十分なスペースが設けられている事。

   

  E > 以下の設備を必ず設ける事;

    

    ・手洗い施設

    ・着替え室

    ・ロッカールーム

    ・トイレ

    ・食品の検査、製造、加工、梱包、保管エリアに適切な照明の設置

    ・機器や調理器具の洗浄場所に適切な照明の設置 

     (照明に関しては割れ辛い適切な電球を使う事により、

      ガラスの破片からくる食品への異物混入の可能性を軽減します)


  F > アレルゲンの交差接触、食品、食品接触機器、食品包材が位置している場所での

    粉塵、臭気、または蒸気(有害ガスを含む)による汚染を最小限に抑える為、

    ファン等を使用した適切な換気管理機器をその場所に提供・設置する事。


  G > 必要に応じて害虫に対する適切なスクリーニングまたはその他の保護方法の提供

  



Part 2では衛生的な運用、衛生施設の維持と管理の説明をしていきます。






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